12月議会の討論原稿

2016年1月14日 09時29分 | カテゴリー: 議会

12月議会に提案された特別秘書について、生活者ネット・社民の会として反対討論を行いました。その全文です。

119号議案 多摩市特別職の指定等に関する条例の制定について、反対の立場で意見を申し述べます。本議案は、地方公務員法第3条第3項第4号の規定に基づく特別職を指定するために、必要なことを条例で定めたいとのご提案です。

内容は、

・多摩市長の秘書の職を特別職(特別秘書)として指定する。

・定数は一人である。

・任期は2年で再任が可能である。

・必要なことは規則で定める。

2841日から施行する。

これに伴い、

常勤特別職の職員の給与及び旅費等に関する条例を改正し、本特別職の職員の給与について月額607,200円と書き加える。

などです。 

さて、本提案、「特別秘書制度の導入」の理由について、市は議会に以下の説明を行ってきました。

阿部市長が第5次総合計画に掲げるスマートウェルネスシティー多摩の実現、つまり、誰もが健康で幸せを感じられるまちづくりは、組織が横断的に取り組んでこそ効果が発揮されるものであり、企画政策部による「総合調整」とともに、部を横断する指揮命令系統での統制が必要である。よって、各部を横断してまとめる部長以上の職を新設する。また国や東京都の協力を引き出しその持てる人脈を活かしてもらうには国からの登用が最適なので、現在、厚労省キャリアを特別秘書として招く交渉を進めているとのことです。

また、副市長二人制も検討したが、多摩市組織条例では二人の役割分担、つまり各副市長が担当する部署が決められているため、スマートウェルネスだけに専念することはできない、しかし特別秘書なら専念できるとのことでした。

一方、多摩市副市長事務分掌規則を見ると、第3条には、() 異例に属し、市行政の先例となることは、両副市長が共同して所掌する。

つまり、これまで取り組んだことのない課題には副市長二人が協力して取り組むとあり、さらに第4条では、特例として、市長は、特に必要があると認めるときは、前条の規定にかかわらず、特定の事務について副市長を指定して所掌させ、又は両副市長に共同で所掌させることができる。と規定しています。

私たち会派は、この際、議会の議決も承認も不要な、政治的行為の制限が少ない、立場が明確でない特別秘書よりも、不在のままになっている副市長の配置を求めるものです。首長たちがこぞって唱えるスマートウェルネスシティーは、確かに各省を横断する取り組みと理解しています。医療、ICT、資産活用、住宅、都市計画など広範にわたり、どこから切り込んでいくかは自治体の主体性と戦略が問われる一方、厚労省よりも自治体の主体性が劣る場合、特別秘書というパイプ役を招くことによって、国の施策を押し付けられることが懸念されます。

大きな取り組みを進める際、有能な方に国から来ていただくことは確かに選択肢の一つですが、市は、具体的に何をしに来ていただくのかはこれからの検討だというのですから、主体的にこの事業を進めていけるか不安は拭えません。  

また、ニュータウン再生、貧困の連鎖、介護離職など数多くの課題はどれも部を横断する取り組みが求められており、今の組織では対応できないというなら、課題ごとに特別秘書を置くことになってしまいます。 

私たちは、職員の不祥事、絶えない長期病欠、新規採用者の数年での辞職、団塊職員の定年ラッシュなど、かつてない組織の危機がささやかれる今こそ、課題を糧に強い多摩市役所をつくることを優先すべきと考えます。これまで全庁横断的に取り組めなかったのなら、それがなぜかを職員とともに明らかにし、大きな課題でも組織横断的に取り組める体制をつくることが先決です。NT開発という国策によってもたらされた数々の問題を、国とのパイプだのひもだのでない手法で正面から解決しようとする職員を育み、国と対等な関係での自治体自治を切り開くリーダーシップを市長とともに発揮してくれる副市長こそ、今、私たちが得たい職なのです。 

議会の議決も承認も必要ない、他の特別職に比べ政治的行為の制限が少ない、この明瞭でない特別秘書という職については、今年7月、川崎市議会においては、市長からの設置の提案が全会一致で否決されています。

地方公務員法にこじつけて不明瞭な職を増やすのではなく、組織の地固めは待ったなしとの考えから、反対の意見討論といたします。