みどり保全も市民協働・・・とは言うけれど

2009年1月26日 14時34分 | カテゴリー: 活動報告

「多摩市」と言えば、「みどり」が自慢。しかし古くからの地域では、原風景とも言える田畑のみどりは、相続時に手放すケースが増えています。石原知事は10年後の東京構想で、みどりを増やす方針を大きく掲げましたが、ないところに植えるより、古くからの歴史あるみどりを残す手立てはないのだろうか。「そんなこと、広大な自然を破壊して造られたニュータウンの住民に言われたくない!」と叱られそう…。だけど…だからこそと、私は思うのです。

土地もみどりも所有者のもの…だけど
私の住まいのすぐ近くに、昔、谷戸を田んぼにした場所がひっそりと残っています。今は荒れた湿地ですが、市の調査では、脇を流れる水路の水は市内一きれい。昨年夏には、100を超えるホタルの乱舞を見せていただきました。高台に湧く豊富な地下水は地域の田畑を潤わせ、そこに住む人々も大切にしてきたんですね。恵みの水が人々を生かしてきた歴史ごと、私は、残ってほしいと強く思うのですが、悲しいかな、ここも相続を控え、埋立地としての計画が着々と進んでいます。この景観だからこそ「終の棲家に」と引っ越してきた新住民の方々は、突然の開発話に落胆しています。事業は手続きを踏んでおり、土地の持ち主はお金になるならいいと言う。計画にも載っていない…こういう時、どうしたらいいんだろう。新旧住民がいる小さなコミュニティーの中では、反対運動なんかしたらしこりを残してしまいます。以前、八王子市が「市民からお金を借りた」と聴いたのを思い出し、改めてお話をうかがいました。

『八王子市みどり市民債』
…は、手っ取り早く言うと、5年後に返す約束で市民からお金を10億円借りて、墓地開発されそうになった緑地はじめ4箇所を急遽買い取ったというもの。
ゼロ金利時代の平成17年に金利0.73%だったため、応募倍率は8.7倍。一口10万円、最高30口の募集枠に、およそ5000人から87億の申し込みがあったそうです。

市は利払いを年2回行い、年1億円の減債基金を積んでいますが、残る5億はその時の市財政によって、新たに借りるか、一括で市から持ち出すか決めるそうです。八王子市民の89人に1人が、60歳代では40人に1人が応募したことになり、最も多かった申し込み金額は300万。次ぐ100万、200万の3種で78%を占めたとは驚きですね。

『市街地内丘陵地のみどりの保全に関する条例』では、「土地は所有者の資産であると同時に、そのみどりは市民共有の財産」
八王子は高尾や多摩丘陵ほか豊かな自然が法や都条例など保全制度で残されていますが、市街地には充分な保全措置がなく、宅地化により急激に失われています。斜面緑地の価値を
①市民の心を豊かにする
②動植物の生息地
③二酸化炭素吸収・水源涵養により市民の健康保持に影響
と位置づけ、だから、これを恒久的に保全するため、市・市民・事業者・土地所有者が負担を分かち合い、保全管理に努めなくてはならないという決意が前文に掲げられていました。

条例や市民債に至ったのは、市民の9割が定住希望で、うち6割は理由が「みどり」、また斜面緑地を守ってほしいという要望書も上がっていたからだとか。市民債のアンケート結果では、多くが「八王子市のみどりを守る役に立てれば」と答えており、ん?満期時に、寄附の募集をしたらどうなるのかな?…なんて、こりゃ図々しいですね。寄附の文化は、まだ日本では育っているとはいえませんが、税金でないお金をまちづくりに活かしたいという発意を市が示したことは、市民がまちづくりに対する自分たちの役割を再確認するいい機会と感じました。さて、多摩市の財政企画部長は「寄附条例、検討する価値は充分ある」と、私の一般質問で答弁しましたが、検討してくれたかなぁ…。

ホタルのこと、何かいい知恵はないですかねー。