「多摩市犯罪のない安全なまちづくり条例」①

2008年9月21日 18時42分 | カテゴリー: 活動報告

多摩ネットの考え方

8月20日付で、やや感情的に書いた「多摩市犯罪のない安全なまちづくり条例」。多摩ネットとしての考え方と議論の経過を書いておきます。

この条例提案は、6月議会で「多摩市犯罪のない安全で安心なまちづくり条例」の名で、犯罪被害者支援も盛り込んで提案されることになっていましたが、条例そのものに反対する議員や、犯罪被害者支援はついでに片付けられるものではないとする議員の多いことから、いったんは取り下げられました。今回、犯罪被害者支援の部分を除いて改めて提案されましたが、当初私は全く必要ないと考えていました。市民による防犯は進んでいるし、自治基本条例で充分だと考えたからです。それから、情報公開の進まない警察組織への不信感も。

実は東京ネットは、2003年に「東京都安全・安心まちづくり条例」に対し、防犯カメラ、住民による相互監視、個人情報の提供は、かえってコミュニティーを崩壊させるとして反対しています。また、警察への市民の不信にも言及し、救済機能をもつ監査制度や警察オンブズマンが重要な検討課題と述べました(2003.7.9第2回定例会)。

ただ、近年の無差別殺人や、幼児・児童や女性、高齢者を狙った犯罪の多発に対し、市民の体感治安が高まっていることは事実です。共働き家庭は、子どもが無事に帰宅しているかを気にしながら働いているでしょう。年頃の娘さんがいるネットメンバーからは、学校からの帰宅途中にもっとカメラがあってもいいという意見もありました。一方、国も警視庁も監視カメラの開発・導入に力を入れており、既に私たちは無数の防犯カメラに監視(?)され続けています。加速的に広がる防犯カメラの設置に対し、私たちが何の歯止めも持たないのは、逆に不安なことではないかとの考えから、多摩ネットは、条例にある「協議会」が充分機能し、市民がコントロールできるようにすべきとの考えでまとまりました(今補正予算にあった「協議会の予算」では、協議会のメンバー構成について私は質疑を、武内さんは選考方法等ふくめ意見討論をしました→武内さんのHPでどうぞ)。

みんなで議論するのがネットのいいところ
当初、私一人が「絶対反対!」と唱えたものの、メンバーによる議論を経ていくうちに、自分は消極的だったなぁと感じました。この日は忙しい原田恭子さんも参加しましたが、彼女の「主体は市民」との揺らがない姿勢には、圧倒というか感動。いつも私たちを元気にしてくれるリーダーです。

安全に暮らせるまちは、自由に物言えるまちであり、一人ひとりが伸びやかに生きられるまちです。弱い者へ怒りや焦りをぶつける原因は何か、誰でもいいから殺したいと思う自暴自棄の原因は何か…ここに目をつぶったまま見張りあっても、犯罪は絶対なくならない。この理念と、防犯の名を借りた人権侵害を防ぐ必要をせめて掲げてほしいという観点で、私たち代理人は総務常任委員会の委員数人にはかりました(なぜかというと、私たちの会派は総務委員会に委員を出していないのです)。→9月20日付②に続く

さて、先日、諏訪のすくらんぶるーむで、首都大学の上野先生による「ニュータウンの子どもたちの安全」のお話がありました。放課後の子どもたちの動きをつぶさに調べると、子どもたちが、多摩市独特の緑のネットワーク、つまり遊歩道沿いに動いていることや、その交差する地点で集合、解散することがわかります。一方、子どもたちを狙った犯罪は、学校や幼稚園、コミセン付近でも発生しており、一人になるほんの一瞬を、おそらく中低木に潜んで待っているとの指摘がありました。大人が隠れられる中低木を見直すことや、どうしてもカメラを設置する必要があるなら、地域住民の理解を得てその場所を決めるなど、具体的な示唆も。
大切なのは、市長の言う「市民とともに」をどこまで具体的に実践できるか。上野先生も「防犯カメラは最後の手段だ」とおっしゃいました。