問題だらけは当たり前!?精神障がいを「個性」として働く

2006年12月14日 17時08分 | カテゴリー: 活動報告

北海道浦河町「べてる」の皆さんから学んだこと。

「多摩草むらの会」主催の講演会『べてるの風を多摩に』が多摩精神保健福祉センターで開かれ、お話をうかがいました。「草むらの会」は、精神障がい者とその家族がお互いに語り合い、障がいがあっても地域で生活していくために活動しているNPOです。定期的な集まりの他、メンバーが気軽に集える場やグループホーム、働く場の運営もしており、貝取の『寒天茶房・遊夢』もその一つ。身体、知的障がいに比べ、精神障がいに対する一般の理解はまだまだですが、当事者たちが地域で暮らすためには周囲の理解は不可欠です。今回の講演会は、悪条件を好条件として生かした「浦河町べてる」のお話を聴き理解を広げ、この多摩でも、障がい者が地域で暮らしていくための力にしたいというものです。

営利追求・合理化無視!「疲れたから帰ります。」も○
社会福祉法人「浦河べてるの家」は、日赤病院精神科を退院した精神障がい者が、同病院ソーシャルワーカーの向谷地良氏、精神科医の川村敏明氏の力も借りて1984年、地元産昆布の袋詰めの下請け作業をしたのが始まりで、以後、さまざまな障がいをもった当事者が活動に参加しています。べてるの活動は、グループホームや共同住宅運営といった地域での暮らしを支える事業地元特産物の加工販売事業、また活動を広くアピールする本やビデオの販売事業と多岐にわたっていますが、そのどれもが当事者主体で運営されているところがスゴイ!理念には「安心してサボれる職場作り」「手を動かすより口を動かせ」「勝手に治すな自分の病気」…なのに年商一億超え!!お話をしに来てくれた若い女性当事者の「爆発系」「順調に病気が出てきています」などという明るい語り口からは、ここでは一人ひとりの障がいが個性として受け入れられ、安心して自分のペースで、暮らし働いていることを伝えてくれました。浦河町は地域経済が弱体化していたからべてるを支援した…そう言ってしまうと元も子もありませんが、結果オーライ。また「べてるが浦河に来て問題だらけだったおかげで、行政も保健所も走る走る…。おかげでいろいろな仕組みが充実しました。」と笑って語る向谷地氏。ハンディのないことを前提とした仕組みだからハンディがあると不都合が生じるといった、当たり前のことに気づかせてくれました。

大らかに生きる、ゆったり働く…「地域で働く場作り」こそ
さて、多摩市には東京都の養護学校があり、また隣接の南大沢にもあるため、卒業生などの障がい者の働く場不足は、長年、課題にあがったまま。親御さんたちの努力だけでは、自立できる程の就労は遠い道のりです。先日たまたま立ち寄った永山商店街の新しい豆腐屋さんで聞いた「知的も精神障がいも関係なく一緒に働けないか」との言葉通り、障がいがあろうが歳をとっていようが、また、会社勤めに疲れた人の一時避難場所にもなれる、そんな職場が地域に増えたらもう少し大らかに働ける気がします。多摩生活者ネットの政策に「地域でともに働く」があります。まずはNPO支援からですが、やがては「障がい者の働く場」なんていう言葉がなくなるように、あらゆる場で働きかけていきます。